いしだまりこのやぼう

面倒くさい思索の備忘

過去形ということは克服したもの

今週のお題「苦手だったもの」

ナスと私

とかく好き嫌いの激しめな子供だった。今でもわざわざ買わない食材はたくさんある。割と明確に嫌いな理由があったりするので、あまり克服したものはないのだが、その中でナスだけは「好き」に反転した稀有な食材である。

なぜナスが嫌いだったかというと、あのポリシーのない歯応えだ。食感は悪いし実家で食べる時は大して味もついてない。母は油を染み込ませないのだ。しかもニンニク嫌いで香り付けもしてくれない。ナスのいいところが一つもわからず、たまに食卓に並ぶのをひたすらに耐えていた。余談だが、そんな母は周囲の人間にはメシウマで通っていた。今となっては大したことなかったろと思っている。

一人暮らしを始めて、ナスが安い日に少し食べてみようかと思えた。生野菜より火を通す野菜が好きな私は、ナスが安い時に食べられたら、そこそこお得なんじゃないかなと思ったのだ。最初は「やっぱうまくねえなー」と思ったものの、おいしい油を染み込ませることを知ってからは、むしろこのスポンジ性能を楽しむようになった。子どもが一瞬ナスを嫌いかけた時も、うまい油が染みてることを見せると食べるようになった時、確実に「勝った」と感じたものである。

辛いもの

少しでも辛いと我慢できない人生を送っていたはずが、大人になって友人と旅行している時に「辛いもの嫌いなんて、嘘じゃん」と軽く怒られた。

また母をdisることになるのだが、母のカレーがただ辛いだけで旨味がなくてひどかったのだ。しかしカレーの日はカレーを食べないとご飯にありつけないので、ご飯の分量を多めにして耐えていた。そのせいかいつの間にか耐性がついていたらしい。

ただ、この旅行時点では自ら辛いものを求めることはまだなかった。寿司はわさび抜きにしてもらっていたし、家にはラー油も豆板醤も置いてなかった。

それがペペロンチーノのために唐辛子を買い、麻婆豆腐のために豆板醤を買い、坦々麺のために白胡椒とラー油を買った。辛党と言えるほどではないが、なんとか香家の青鬼も食べられた(もう一度チャレンジする勇気はない)。まあ、悪くはないな……って程度には辛いものを食べるようになったわけです。

苦手な行動とか

これは多分ずっと同じで動かない。英語、運動、掃除……。この辺はもう子供の頃に出来上がってしまったんでしょうね。過去のものにしたいんですけど、うまくいかないもんです。